書きたいけど書けないやつのための物語講座

俺はしゃべりすぎるから、全部読まなくていい。お前が書けると思ったら、すぐ読むのをやめて、書け

小説講座

物語講座 イメージを形にする

「小説が書けない」というヤツがいる。 一口に言っても書けない理由は複数考えられる。中には書きたいモノが見つからないという話も耳にするが、そういうのに対する俺からのアドバイスは無い。 書けない時にどうするべきか? 最も有効なのは、それでも書く事…

小説講座 焦らしのテクニック

読者を待たせる。 何が楽しいと聞かれて「待ち時間だ」と答えるやつはまずいない。けれど、人生なんて大半は待ち時間なのだ。 一生のうちで最高の瞬間とは何時の事か。 努力して、努力して、努力して…… 例えば大きな大会で決定打となる得点を入れたり、生涯…

小説講座 単純に考えて、複雑に実行する

物語は複雑だ。しかし、一つ一つの構成要素は至ってシンプルな物で、それが絡み合う事で複雑な物語になっている。 物語は複雑でなければならない。 大金持ちのペットの生活を考えてみろ。お前がハムスターなら幸せかもしれない。だが、人間がハムスターのよ…

小説講座 とりあえず書く。色々試す。

小説講座なんてやっておいて何だが、俺はとりあえずやってみる派閥に属している。ただし方向性が決まってからだ。 例えば部屋の掃除をする時も、ひとまず、右にある物を左に移す。後から必要な物を戻す。右に左に移動させるうちにエントロピーが収束する。必…

小説講座 作品のテーマには作者の魂がにじむ

コンセプトとテーマ 言葉にしない方が伝わる 敵対者について コンセプトとテーマ コンセプトが素晴らしい作品は、ハイコンセプトな作品と評され、それだけで素晴らしい価値がある。 それに対してテーマはないがしろにされがちだ。コンセプトとの違いが分から…

小説講座 書けないのはコンセプトを蔑ろにしているからじゃないか?

その物語はどこへ向かうか? 対立を生み出すシステムとしてのコンセプト コンセプトとキャラクターの結びつき 実践してみよう その物語はどこへ向かうか? 物語がすらすら書ける瞬間というのがある。 自分がどこに居るのかハッキリ分かっていて、どうしても…

小説講座 読者の反応を考える

自動的に行われるアウトプット 面白さとは何か? 実践してみよう うまくいかないなら考え方を変えよう 自動的に行われるアウトプット 単にパソコンの画面に出力する事もアウトプットと呼ぶ。しかし、人間がアウトプットすると言う時はもっと知的でなければな…

小説講座 対立と共通認識について

1対立とは何か? 2対立と共通認識 3実践してみよう 1対立とは何か? 物語を書くには対立が必要だ。 多くの人がそう言うのには理由がある。 なにせ、対立は構造であり、車に例えるなら、タイヤを動かす部分に相当する。燃料そのものでは無いという意味だ…

小説講座 3千文字書こう

俺の場合、三千文字程で話をまとめるのが一番よいと感じる。どんなに絞り出してもその文字数に達していないなら内容が薄すぎる。逆に五千文字も書けてなおまとめられないなと感じたら、それは二つに区切って話すべきだと思う。 最初の千文字はとりあえず指を…

小説講座 過程が大事

物語は過程が大事だ。そういうのが今日する話だが、それは作品を作り上げるためにどれだけ苦労したかが大事、という話ではない。作品の評価に関してはやはり、面白ければいいという、結果が全てだ。物語を完成させる、特に満足のいく最初の作品であれば苦労…

小説講座 物語に驚きを求める

物語を読む時、たった一つだけ願い事が叶うなら、そこに驚きがあって欲しいと思う。どんな時に人は驚くだろう? 自分が知らない世界があったり、思いもよらなかった事が起きたり、あるいは信じていた常識がそうではないって気づかされた時、人は驚く。そうい…

小説講座 対立について

恐怖の克服方、というのにも、個性が出るかもしれない。中学生の頃、スキー実習みたいなのがあった。俺はその日初めてスキーを体験したが、ちょうど吹雪いていて、前が見えず、怖かったのを思い出す。そして俺は最後尾だった。滑るのは怖かったが、置いてい…

小説講座 物語は行動である

人生は行動である。その時何を考えていたかより、どう行動したかが重要だ。心優しい地蔵様より、下心丸出しの詐欺師の方が、何もしてない奴より価値はある……まあ、俺はそう思わないが、何の行動も起こさない奴を評価するのは難しい。 行動を起こした結果、何…

小説講座 物語の距離感

どうやら、世の物事というのには共通の事実がある。なるほど。俺は神様を信じている。他人や友人を信用するのと同じく……とりあえず、金を要求されるまでは居るって事にしておいていい。 遠近法の話をするからと言って、絵の話とは限らない。心理的にも遠近法…

小説講座 物語を書くのに必要な3つの事

物語において最も大切な要素は三つある。何とは言わないし、それは誰にも分からないのだ。しかし、一つでは多すぎるし、二つでは少なすぎる。 一つの事だけを語るのは盲目的に過ぎる。強すぎる愛情は他の全てを排除してしまう。博愛精神を持てとは言わない。…

小説講座 真の宿敵

俺が知る限り、大抵の人間が最終的に行き着くのは「死」だ。だけれど死を目標にして生きてる奴なんてのは、よほど特別な境遇にいるか、友達がいないかの二択だ。それでも、最終的に行き着く場所は同じだと言える。多くの物語が死を連想させるのは、誰もが無…

小説講座 物語の始め方

俺が構成について教えるのに消極的な理由は、小説を書くのに、大して役に立たないと考えているからだ。構成を学ぶのは物語を研究するのに役立つ。また、作り上げた物語を整えたり、欠陥を浮き彫りにするのに使う。だが、物語の初心者というのは得てして物語…

小説講座 まずは面白くない小説を書け

面白い小説が書けないと悩む人間は多い。だが、まず読んだ人が「何を言おうとしているのか分からない」というのは、そもそも経験不足だ。普段話している言葉と小説の言葉は別物だ。話し言葉と書き言葉の性質が違っているように、小説の文章とその他の文章で…

小説講座 捨てろ、諦めろ、妥協しろ

なんで未だに物語が求められているのだろう。かつての名作が電子書籍でたやすく手に入るのに、面白いのか分からない新しい物語を手に取るのはなぜだろう。あるいは料理の本とかに置き換えてもいい。料理の本は汚しやすいし、書き込みやすいとかそういう需要…

小説講座 小説を書く面白さについて

ゲームっていうのは勝てれば面白いものだ。聞いた限り全く面白く感じられないゲームでも、プレイヤーにカタルシスを与える事ができればそれには価値があるという事なのだろう。娯楽小説は、読者に何らかの快楽を与える物である。まるで自分の分身のように感…

小説講座 おまえのやり方を探せ

お前にはお前に合ったやり方がある。それを探さないといけない。他人の、特に成功している奴がどうやっているのか、興味を持つのは分かる。だが、お前の役には立たない。それを真似してみる事に価値が無いわけじゃない。やり方を変える事自体には意味がある…

小説講座 謎が物語を引っ張る

ホテルを出て、すこし周囲を探索してみる気になった。ふと目に付いたのは、赤煉瓦のおしゃれな店だった。いや、おしゃれというのは婉曲表現だ。その外見は洗練されているとは言い難く、なんともちぐはぐな印象だ。屋根は和風とも中華風ともつかない瓦。扉は…

小説講座 物語の作り方

俺はこれまで物語の構成について書く事を避けていた。第一に構成の話はとても面白いからだ。俺はその手の話を聞くのが好きで、結構いろいろ知ってる。だがまあ、面白いだけあって、俺より説明がうまい奴がたくさんいるから、俺は詳しくは語らない。構成の話…

小説講座 「会話文について」

「あぁ、急に降るんだから。参ったよ」「天気予報で言っていたぞ。いいから、さっさとシートベルトを締めろ。車、出すぞ」「はいはい。あぁ、いつものより一本先の道を右に曲がって。手前は工事してるんだ」「分かった。この感じだと……十五分ってところか?…

小説講座 主人公のする決断について

すべての事に理由をつける事ができる。これはどうでもいい話だが、俺は買い物をする時、迷ったら止める事にしている。欲しいものがあって、その選択肢が二つあったとして、どちらを買っても後悔は無いだろうなと感じる。それでいて、どちらを買うか迷ったら…

小説講座 お前が弱点について考えなければならない理由

お前が面白い小説を書きたいと考えたなら、まず一番に学ぶべき事はコンセプトについてだ。お前自身から最高のコンセプトを学ぶことができれば小説が書ける。しかし、単に小説を一本書きたいと考えているのなら、登場人物の弱点を知る事が一番の近道だろう。 …

小説講座 感動のさせ方

小説を書く時、一つ狙いを定めてみろ。お前が小説で伝えたい事はなんだ? 漠然としたイメージを伝えたいのかも知れない。あやふやで、言葉にできない事を伝えるのは芸術の使命かもしれない。ピカソの事を思い浮かべてみろ。お前がやろうとしている事はとても…

小説講座 物語の可変域

お前は論理パズルを知っているか? しらなければそれでいい。論理パズルでは、真でなければ偽。というルールがある。とりあえず、俺が知ってる奴はそうだった。現実は複雑なので、たぶん、そのように表現する事そのものがナンセンスであると思う。お前が語り…

小説講座 お前に必要なのは模倣ではないという話

模倣する事を俺は否定しない。お前は小説を書いていて、これは面白くないんじゃないかって思う。そもそも面白いっていうのは何だ? お前は目の前にいつもおいてあるお気に入りの本を読む……何度読んでも面白い。最高だ。その本はすごく売れている本かもしれな…

小説講座 お前の言葉は伝わらないという話

俺は子供の頃、大人が決めたルールに楯突いた事がある。何らかのルールに違反したと思うが、具体的に思い出せない。俺はそれを誰にも咎められなかった。けれど心苦しい思いをした。見つかったら怒られると思った。何をしたかは、忘れたが。確か儀礼的な……そ…